デジタルカメラ市場と業界の悩み

デジタルカメラ

カメラが売れないとか市場縮小と多くのネガティブな情報が飛び交って久しい。
カメラや写真を趣味とする人は市場環境が悪化している事を実感しているだろう。

日本市場の危うさ

一般社団法人カメラ映像機器工業会(通称CIPA)の調査データに日本市場のデジタルカメラ購入者特性がある。
https://www.cipa.jp/stats/documents/common/cr800.pdf

日本市場に限ったデータではあるが、やはり望ましくない兆候が読み取れる。
若者のカメラ離れと高齢化だ。

レンズ一体型カメラ(俗に言うコンデジ)は特に顕著で29歳以下はたったの3%しかいない。
逆に60歳以上の割合の増加率が大きい。

スマートフォンの影響をモロに受けやすいジャンルなので若者には無視され、近年はスマホと差別化するために高倍率ズームモデルが多く、野鳥撮影に使われやすいのか高齢者に根強い人気があるという理由だろうか。

レンズ交換式もレンズ一体型ほど極端ではないがあまり好ましくない傾向である。
子育て世代の30-39歳の割合が徐々に減っているのだ。
かつては入学式や運動会などに買われていたのに現在はスマホで済まされているのだろうか。
Kissなどの廉価モデルのダブルズームキットといったジャンルが売れなくなっていると思われる。

ボリュームゾーンがごっそり抜け落ちてしまって、メーカーもフルサイズと高級路線に走るしかないのだろうが、ますます若者が興味を示さなくなって負のスパイラルに陥っている。

一般的に市場縮小の要因をスマートフォンとされている。
しかし、私はスマートフォンのせいではなく、高性能なカメラの活用先が殆ど無い事が一番の問題だと考えている。

打開策があるのか

では自分がメーカーの人間だったらどうするか。正直言って打つ手がない。
現状はYouTuberに動画性能目当てに買って貰う以外の手立てはないように思える。
カメラが売れなくても性能を向上させていくしかないが、どこかで行き詰まる。
一億画素だ!と華々しく登場しても喜ぶのはカメラユーザーの中でも一握りだろう。

生活必需品ではない

多くの人にとって高性能なカメラは必要不可欠なものではないのが辛いところだ。

スマートフォンならバッテリーが駄目になったら買い替える。
動作が遅すぎてもOSサポートが終わっても買い替え。
持っていなければ現代人らしい生活が出来ないので買い換えは必須だ。

だがカメラは「もう良いか」で終わってしまう。スマホという代用品がある。
新規ユーザーが少ないだけでなく、既存ユーザーが買い替えをしないから市場がどんどん縮小する。

カメラメーカーが活用先を増やす為の努力を怠っていたわけではない。
活用先を生み出そうと各社が直営でコミュニティや投稿サイトなど運営している。
メーカー以外でも写真SNS系の国内サイトも色々存在していたが、その多くがサービスを終えた。

 

そもそも写真は作品を作る側、見る側の温度差が大きい。
多くの時間を使って作品を作り上げても、「良い写真だね」以外の評価は得られない。それも刹那的なもの。繰り返し何度も同じ写真を見に来ることはあまりないと思う。故にマネタイズも難しい。

スチルに救世主がいるとすれば海外発の大規模なSNSで画質が生きるようなサービスなどだろうが、淡い期待である。SNSで画像や映像を鑑賞するデバイスの大多数が小さいディスプレイのスマートフォンなのだから。

きっとニッチな趣味として付き合っていくしかないのだろう。

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